裴松之先生の罵詈雑言を集めたページです。

習鑿齒曰:夫霸王者,必體仁義以為本,仗信順以為宗,一物不具,則其道乖矣。今劉備襲奪璋土,權以濟業,負信違情,義俱愆,雖功由是隆,宜大傷其敗,譬斷手全軀,何樂之有?龐統懼斯言之泄宣,知其君之必悟,故眾中匡其失,而不脩常謙之道,矯然太當,盡其蹇諤之風。夫上失而能正,是有臣也,納勝而無執,是從理也;有臣則陛隆堂高,從理則羣策畢舉;一言而三善兼明,暫諫而義彰百代,可謂達乎大體矣。若惜其小失而廢其大益,矜此過言,自絕遠讜,能成業濟務者,未之有也。

臣松之以為

謀襲劉璋,計雖出於統,然違義成功,本由詭道,心既內疚,則歡情自戢,故聞備稱樂之言,不覺率爾而對也。備宴酣失時,事同樂禍,自比武王,曾無愧色,此備有非而統無失,其云「君臣俱失」,蓋分謗之言耳。習氏所論,雖大旨無乖,然推演之辭,近為流宕也。

(漢籍電子文献資料庫三國志 956頁 ちくま5-201)

解説

 劉備の蜀討伐にある程度めどが立ったところで、宴会が開かれます。そこで龐統はこの征伐が道義にかなっていないものだと直言、いちどは劉備も「武王の殷討伐の時にだって踊り子がいただろう」とそれを非難するのですが、最終的には確かに道義にかなっていない征伐であると劉備も認め、そして龐統も直言があまりにもあけすけであったことを認めます。そして二人はその後楽しく酒を飲み交わした、と書かれています。
 ここに習鑿歯がコメントを寄せています。この龐統の直言は君主が道義に背く戦を前に楽しんでいることを批判するための言葉であった。劉備も最終的にはこの言葉を受け入れている。劉備の蜀討伐は道義心をかなぐり捨ててでも為し遂げるべきたぐいのものであったし、「楽しい」だなどと語る自らの失言に直言を食らったからといって撤回しなかったのであれば、それはもう大業なぞ為し得なかったことだろう。
 うーんこの、裴松之先生、やれやれと首を振られます。
 そもそも蜀強奪は龐統の提起した作戦。ただこれが邪道のものだとはどちらもわかっていた。だのに劉備は宴を楽しいといったり、道義心ある征伐である周の武王を引き合いに出すとか、もうどう考えても劉備がダメ。にもかかわらず龐統が謝罪しているのは、いわば自身が罪の片棒を担っている、と表明した言葉に当たるのだ。周どのの論は大筋があっているとは言え、やや大げさな語り口になってしまっている。

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斯近妄不實

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惡諡宜哉

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虛說也

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既已難信
楊阜
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費詩
此論最善

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豈有兵連禍結
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