裴松之先生の罵詈雑言劇場 - 天水之匹夫――巻三十五 諸葛亮

郭沖四事曰:亮出祁山,隴西、南安二郡應時降,圍天水,拔冀城,虜姜維,驅略士女數千人還蜀。人皆賀亮,亮顏色愀然有戚容,謝曰:「普天之下,莫非漢民,國家威力未舉,使百姓困於豺狼之吻。一夫有死,皆亮之罪,以此相賀,能不為愧。」於是蜀人咸知亮有吞魏之志,非惟拓境而已。

難曰:

亮有吞魏之志久矣,不始於此眾人方知也,且于時師出無成,傷缺而反者眾,三郡歸降而不能有。姜維,天水之匹夫耳,獲之則於魏何損?拔西縣千家,不補街亭所喪,以何為功,而蜀人相賀乎?

(漢籍電子文献資料庫三國志 922頁 ちくま5-129)

主催者コメント

 諸葛亮の第一次北伐、なぜか馬謖が山に登って負けた直後(しかもご丁寧に馬謖処刑の前)に裴松之先生は郭沖さんの諸葛亮弁護第四条を差し挟まれます。いや確かに第一次北伐失敗してるよ、けど天水で姜維および姜維が率いる数千人を獲得してるじゃん! このこと蜀人たちが讃えてるし! とのことなのです。ただ諸葛亮はあくまで魏併呑こそが目的であった以上意味がないと意気消沈。それで蜀のひとたちはようやく諸葛亮の本心を知った、と書くのです。
 は? 裴松之先生、まがおです。
 いやそれもう出師の表に書いてあるでしょ? それを達成できずに多くの損害を出した上、それでようやく獲得した三郡すら保ちきれなかった。これだけのミスと姜維とか言う一般人ひとりを比較して、魏のどこに損害があったって言えるの? こんなありさまをなんで蜀の人間が讃えようってのさ?
 突然姜維をぶん殴る裴松之先生。

皆様のコメント

おさっち 様
 孔明と姜維のカップリングは裴松之さんには解釈違いのようですね〜
波間丿乀斎
 これ、蜀人たちが出師の表をポーズとしてしか認識してなかった可能性もありえますね。それで、戻ってきた孔明の悄然とした様子を見て、初めて本気だと気付いた、みたいな。